こんにちは。
禁酒・断酒のメリットってインターネット上に多く記されていますが、個人が好き勝手なことをいうネットの世界なので、本当なのかな?って思いますよね。
そこで今回は、人気エッセイストである町田康氏の断酒実体験に基づいたエッセイ『しらふで生きる 大酒飲みの決断』から、町田氏自身が実感したそのメリットについてご紹介。
これを読めば、信ぴょう性の高い禁酒・断酒のメリットがわかるようになりますよ。
①ダイエット効果

禁酒するとスリムになる方が多いですが、町田氏もこの効果は実感したよう。
60歳前後の町田氏であるので、ダイエット効果がとりわけうれしかったとまでは述べていないのですが、会う人会う人に「最近痩せましか?」と言われたとのこと。
痩せてまんざらでもなかったようですね。
同氏は酒には上質な肴を、と決め込んでいたようですから、酒を飲まなくなると自然とそのようなご馳走を食べることがめっきり減ったようです。
それで痩せたのではないかと考察しています。
まあ、一般的にお酒を飲むと食欲増進し、食べ過ぎについついなりがちですからね。酒を止めて痩せるというのはほんと分かりやすい効果といえます。
②睡眠の質の向上

これも一般的に禁酒効果としてよく言われていますね。
睡眠の質の向上。
町田氏も実感したようです。文筆家であるので、とりわけ睡眠は頭をクリアに働かせる上で大切なものでしょう。
ここで同書より一部一部引用を。
(仕事の効率が最近あがったのは)
まあそれも主観的なもであるが、宿酔がなく眠りが深いだけでも、時間あたりの仕事出来高が上がることだけは確かであると思われる。
自分の場合で言うと、「今日はこれくらい進めばよいな」と予測して始めた仕事が終わってみれば予測の一・五倍から二倍程度進んでいるという感じである。
町田康『しらふで生きる』p197
と述べています。※宿酔=二日酔い
同氏は、二日酔いという翌日の仕事を台無しにするような行為が断酒によってなくなったことで、仕事の稼働日数が増え、またその質も向上したとはっきり言われています。
③経済的な利得

売れっ子作家の町田氏らしく、お酒にも相当にお金をつぎ込んでいたと述べています。
一日平均、そうさな、三千円くらいは酒類を買っていたのではないだろうか。そうすっと、月で約九万円、年額にすると百八万円。人間の煩悩の数は百八つ。これを二十五年続けると二十七百万円。人間の煩悩の二十五倍万円。ちょっとしたマンションの頭金くらいにはなる金額である。
町田康『しらふで生きる』p200
と、結構な大枚をお酒にはたいていたとのこと。
もちろん、純粋に酒代だけで一日三千円も使ってはないでしょうけど、酒飲みには色んなお金がもれなく付随しますよね。
肴代、飲み会代、飲んだ後のタクシー代、そして宿泊代などなど。
お酒にまつわるそれらの料金って、一般的な料金と比べ法外に高い!
飲み会なんて一軒につき4000〜5000円は当たり前。だいたいはしご酒になるので、一晩その2倍、3倍と普通にかかっちゃいますよね。
お酒を飲まないと、それらの過剰ともいえるお金を使わなくなる。だから、思った以上に節約できるんですよね。
④脳髄のええ感じによる仕事の捗り(はかどり)

文筆家というのは、傍目に見てですが一番頭を使う仕事ではないでしょうか。
小説を書く際は、登場人物すべての性格や背景をいちから構築する必要があるし、それらの人々が織りなす人間関係を複雑に描いていく必要もあります。
このように頭を酷使しなければならない同氏ですので、断酒によって頭脳が冴えわたるのはうれしいことこの上なかったと思います。
同書の一節からですが
これは仕事をしているとき、或いは、なにかについて考えているときに実感するのだが、酒を飲んでいたときに比べて考えるひとつびとつのことが聯関(れんかん)するというか、ひとつのこととまた別のひとつのことがスコッと繋がったり、或いは、ひとつのことの、また別の一面に気がつく、といったことが脳髄において起こり始めた。
町田康『しらふで生きる』p204
というように、かなり筆を進める上で断酒はメリットがあったと絶賛しています。
当然、お酒を飲まないと味わえない描写というものあるのでしょうが、禁酒や断酒をしていないと思い描けないことが、その何十倍とあるのでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
ネットで種々言われている禁酒のメリット。ただし、いまいち玉石混交の情報が入り乱れるのがネットの世界。
そこで今回は、町田康氏の断酒エッセイ『しらふで生きる 大酒飲みの決断』からそのメリットについて抜粋しお伝えしました。

町田氏のどこかアングラな文体で、痛快に断酒の経緯・過程が語られている名作です!
これで、リアルに酒断ちのメリットが分かってもらえたとおもいます。詳しくは同書を読み、ぜひ参考にしてくださいね。
最後までお読みいただき有難うございました。
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